ご注意
この記事は 2015年9月17日 に書かれたものです。内容が古い可能性がありますのでご注意ください。
2015/10/05
テーマやプラグインの追加・変更方法について下部に追記しております。
みなさんこんにちは。
1年半前にGAEでWordPressを動かすという記事を作成しておりましたが、こちらはその最新版でより丁寧な完全版になります。
前回の記事との大きな違いは
- 英語案内から日本語案内の追加
- SQL文など難しいスクリプトをあまり使わなくてもできる
- より細かく迷わないような説明、解説
という点です。
前回の時点と比較して、管理画面の見た目や名称等も変更されているので、現在使用されている画面のスクリーンショット等を用いて説明していきます。
GAEでWordPressを構築してみたいという方向けに、初心者でも簡単にインストールができる方法を紹介します。これを読めば5分、いや、数分程度でできます。
なお、この記事の筆者もコマンドがあまりわからないWebデザイン・保守担当です。頑張ります。
目次
予め必要な物
まずは必要な素材を揃えます。
- パソコン
- ネット回線
- Gmailアカウント
- WordPressの最新版(下記クリックするとDLできます)
https://ja.wordpress.org/latest-ja.tar.gz (約6.64MB) - WordPress ON GAEのスターターキット
- Google Cloud SDK
内容やインストール方法の別記事がありますので、そちらをご参照下さい。
Google Cloud SDK のインストール方法(Windows版)
1,2,3は皆さんお持ちですよね?
5については、git から、Google Cloud Platform(以下GCP)用のWordPressセットのようなものがあるので、そちらをDLします。
https://github.com/GoogleCloudPlatform/appengine-php-wordpress-starter-project.git (約15.5MB)
ページ右下の[Download ZIP]からDL可能です。
DL後の、appengine-php-wordpress-starter-project-masterに内包されている、フォルダの中身が、空でDLされてしまう場合は、各フォルダのページからファイルを一式DLし、それぞれのフォルダ内に展開します。
- https://github.com/GoogleCloudPlatform/appengine-wordpress-plugin (約50KB)
- https://github.com/Automattic/batcache (約10KB)
- https://github.com/jeremyfelt/Memcached-Object-Cache (約3.49KB)
活用方法は後ほど説明します。
1:GCPのコンソールでプロジェクトの作成
…字面だけ見たらパルスのファルシのルシがパージでコクーン並の難しそうな内容ですがそんな事はないです。
1つずつ見ていきましょう。
※WordPressをアップロードするプロジェクトが既に用意されている方は次のステップまで飛ばして下さい。ここでは、プロジェクトの立ち上げから説明します。
Gmailにログインし、GCPのコンソール画面へログインします。
https://cloud.google.com/console/project
左上の[プロジェクト作成]をクリックすると、下記のような画面が出ます。
こちらにWordPressをアップロードする任意のプロジェクトIDを記載し、作成します。
2:クラウドSQLインスタンスの作成
プロジェクトを作成後、左側メニュー内→[ストレージ]→[Cloud SQL]を選び、[新しいインスタンス]を作成します。
インスタンス名を入れる画面が出るので、任意の名前を入れて作成します。
ちなみに、地域タブの中に、アジアがあるので、お、アジアの方が何か良さそう、と思って選んで作成すると、この後色々失敗します。
プロジェクトを作成時に、App Engine の場所が、us-central(つまりアメリカ)となっていますが、こちらのインスタンスも、App Engine を作成した国に合わせて作らないといけないのです。
作成時には注意しましょう。
3:データベースの作成
作成したインスタンス名のリンクをクリックすると、概要画面が表示されます。
概要画面上部の、データベースをクリック。
データベースの画面が出るので、画面中央の、[新しいデータベース]をクリック。
データベース名を入れる画面が表示されるので、任意の名前を入れて[追加]をクリック。
追加後、一覧に作成したデータベース名が追加されます。
4:ユーザーとパスワードの設定
続いて、WordPress設定時に必要なユーザーとパスワードを設定します。
データベースを作成した画面上部にある、[アクセス制御]タブをクリックし、遷移した先で、さらに[ユーザー]タブをクリック。
このような画面に出るので、中央の[ユーザーアカウントを作成]をクリック。
ユーザー名、パスワードを設定する画面が出るので、任意の名前、パスワードを設定します。
その際、ホスト名の部分で、必ず、[名前、アドレス、またはアドレス範囲でホストを制限する]の方にチェックをし、入力欄にlocalhost と記載して下さい。これ重要です。これをしないと最後のアップロードの時に失敗します。注意して下さい。
…と言いつつ私もやりました。
でも大丈夫です。
もし間違えて設定せずにユーザーを作ってしまっても、ユーザー作成の画面で、同じ名前、同じパスワードのユーザーを作成して、上記の設定をすればOKです。非常に便利。
5:Wordpressファイルの差し替え(日本語化)
ここでGCPコンソール画面から一度離れます。
先ほどDLした、appengine-php-wordpress-starter-project-master内の、Wordpressフォルダを削除し、別途DLしてきた日本語版のWordpressフォルダと差し替えます。
そして、差し替えたwordpressフォルダ内の、[wp-content]→[plugins]の中に、予め別途DLしてきた
- appengine-wordpress-plugin-master
- batcache-master
- Memcached-Object-Cache-master
この3つのフォルダを入れて下さい。
後ほど説明しますが、WordPressインストール後、GAE上でWordPressを使うのに必要なプラグインも一緒にインストールされるようになります。
6:必要な2ファイルの5箇所の修正
ここでDLしてきたファイルの中身を少し修正します。
app.yaml の修正
appengine-php-wordpress-starter-project-master 内 app.yaml の修正をします。
app.yaml を秀丸などで開き、1行目
application: your-project-id
の、your-project-id をステップ2で作成したプロジェクトID名に変更します。
今回の場合だと、
application: wp-kimura
となります。
wp-config.php の修正
app.yaml と同じ階層にある、wp-configを開き、データベース接続設定に関する部分を修正します。
デフォルトで、
- define(‘DB_NAME’, ‘wordpress_db’);
- define(‘DB_HOST’, ‘:/cloudsql/your-project-id:wordpress’);
- define(‘DB_USER’, ‘root’);
- define(‘DB_PASSWORD’, ”);
define(‘DB_NAME’, ‘wordpress_db’); のwordpress_db の部分には、4:データベースの作成 で作成したデータベース名を入れて下さい。
今回はデフォルトで入っている名前と同じデータベース名を設定したので変更はしません。
define(‘DB_HOST’, ‘:/cloudsql/your-project-id:wordpress’);
の部分は、
define(‘DB_HOST’, ‘:/cloudsql/プロジェクトID名:インスタンス名’);
を入れればOKです。
作成したプロジェクトのインスタンス画面で左上にプロジェクト名とインスタンス名が表示されるので、それをコピペしてくると便利です。
今回の場合、
define(‘DB_HOST’, ‘:/cloudsql/wp-kimura:test-instance’);
となります。
ユーザーとパスワードも同じく、5:ユーザーとパスワードの設定 で作成した情報に差し替えます。
define(‘DB_USER’, ‘設定したユーザー名’);
define(‘DB_PASSWORD’, ‘設定したパスワード’); に修正して保存します。
7:設定したファイルをアップロードする。
これで設定は完了です。
いよいよアップロードします。
コマンドプロンプトで、appengine-php-wordpress-starter-project-masterのある階層へ行き、
appcfg.py update .
上記コマンドを入力してReturnを押せば、アップロードされます。
8:アップロードの確認
WordPressが構築されているかどうかの確認は、GCPコンソールから行います。
コンソール画面の左側メニュー→[コンピュート]→[App Engine]→[バージョン]をクリック。
アップロードされたバージョン名をクリックすると、WordPressの初期インストール画面が表示されます。
もしくは、https://バージョンID.appspot.com/ というURLでもアクセス可能です。
\ぱんぱかぱーん!/
後は通常のWordPressと同じようにインストールを行います。
この後、ログインしますので、ユーザー名とパスワードは忘れないようにしましょう。
9:ログイン後、プラグインの有効化
インストール後、まずは先ほどのインストール画面で設定したユーザ名とパスワードでログインします。
プラグインの画面にて、既に一緒に入っている、Batcache Manager と、Google App Engine for WordPress と、WP Multibyte Patchを有効にします。
10:Cloud Storage の設定追加
ここまで色々設定してきましたが、もうちょっとだけ続くんじゃ。
WordPressのインストールが完了しましたが、このままだと画像やメディア等のアップロードがまだ出来ない状態なので、設定をします。
GCPのコンソールから、作成したプロジェクトの画面へ行き、左のメニュー内から、[ストレージ]→[Cloud Storage]→[ブラウザ]をクリック。
バケットを作成、という画面になるので、青い[バケットを作成]ボタンをクリック。
名前欄に、任意の名前を入れて[作成]をクリック。
作成したバケットの中に、画像データ等が格納されます。
バケット作成後、WordPressの管理画面に戻り、メニュー内、[設定]→[App Engine]をクリック。
英語で何か色々書いてありますが、入力するものは1つです。
中程にBucket Nameという入力欄があるので、そこに先ほど作成したバケット名を入れ、[変更を保存]ボタンをクリックすれば完了です。
すると、メディアライブラリにて、画像のアップロードが可能になります。
ね?簡単でしょ?
その他注意する事
バージョンの切り替え
バージョン名も変更が可能です。
app.yaml ファイル内の2行目、
version: wpfromstarterproject の右側の部分を任意の名前に変更可能です。
GCP側でのバージョンの切り替えについては、静的HTMLをGAE上で公開する の【8:バージョンの切替え】の項目を参照してください。
テーマ・プラグインの追加・編集について
上記方法にてWordPressは使うことは出来ますが、この後、新しくデザインテーマやプラグインを追加・編集等について、管理画面から行う事は出来ません。
GAE上の特性上、ブラウザ上から追加・変更等は行えないので、ローカルにて、予めフォルダに入れた後、またアップロードが必要になります。
手順の5番目にて、[plugins]に必要なプラグインのフォルダを追加していましたが、新しくプラグインを追加する場合は、同じ方法で[plugins]に使いたいプラグインのフォルダを入れて下さい。
これと同じようにテーマを変更する際も、プラグインと同じ階層にある[themes]の中に、テーマフォルダを入れ、手順7の方法でアップロードして下さい。
すると、管理画面のプラグインやテーマ変更の画面で、選択できるようになっていると思います。
まとめ
どうでしたでしょうか…。結構細かく書いたつもりではありますが、やってみるとちょっと戸惑う事もあるかもしれません。今回は徹底的に説明をしよう、という事で書いたので、解説も長く、手順も多そうに見えて、難しそうな印象に見えるかもしれませんが、やってみるとどうという事はありません。
慣れると5分ぐらいでWordPressを使える所までいけると思います。
筆者も最初は教えてもらいながらしどろもどろでしたが、今では楽勝です。
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